温泉旅行 in 日田&湯布院 第3部
そういや,ソファの上で寝ていたのを忘れていました.
朝起きると,丁度6:00すぎ.
窓の外では,だんだんと暗がりの空が明けていきます.
恐らくお昼ご飯は抜きになるだろうと見越して,とりあえず,お腹いっぱいになれる朝食を頼みます.こんな量でお腹いっぱいになるわけないけど,コーヒーをいっぱい飲んでお腹を膨らませました.
朝食の豚汁の湯気を眺めながら,ジョイフルのソファの寝心地に心を馳せていました.
さて,朝食を食べ終わり,いざ湯布院へ向かいます.
湯布院は,日田市から50kmも離れています.電車でも1時間はかかります.
だいたい,日田→湯布院間の電車は2時間に1本ほどの頻度で出ているため,本でも読みながらのんびりと駅の待合室で待つことになります.
さよなら,日田市.
電車の窓先では,延々と秋の自然が続きます.
針葉樹ばかりが連なる,11月なのにまだ緑の葉の残った一面の森の木々.そのためか,僅かばかりのオレンジ色の紅葉が目立ちます.中には冬気分の木もあって,茶色になりつつある葉っぱを付けた広葉樹も,時たま混ざっています.
電車が渡る橋の下では,清流なのかな,青白磁色の透明に輝いた川も流れています.
川のそばでは,赤い鉄柱が等間隔に支える,コンクリート製の車専用のボックス型のトンネルが続きます.トンネルの上は平坦なため若木や草が生い茂っていたのですが,土が積もりすぎるとトンネルが崩れないのか心配になります.
そんな自然の一枚一枚が,視界の外へ流れてゆきます.
電車の窓から差し込む陽の光が,ぽかぽかで,ついウトウトしてしまいます.
そんな感じで,電車からの景色を楽しんでいると,湯布院市に到着しました。
祝日が影響して,人がめちゃくちゃいます.
あと,駅前がめっちゃオシャンティーになってます.絶対最近,再開発したでしょ.
図2 昨日の元気が嘘のように顔がしけてる様子
しかし,まぁ湯布院も寒いんですよね.日田同様で,気温低いくせに,風が強いもん.
ですが,さすが湯布院なのか,排水溝に流れる温水から湯気がずっと立ってました.
湯布院駅から約5分ほど歩いたところに,「ここ公民館です」と言ってもばれないであろう公衆温泉に着きます.
これが、乙丸温泉ですが、本道から別れた小道の先にあります。
黒白調でシンプルが売りのナウい駅周辺の雰囲気は,どこにいっちゃったんすかね.
絶対に, 施設の二階で趣味の俳句会とかデジカメ写真品評会とかしてると思います.
あとは,習字教室とかフラダンス教室とかかな.
外観はいい味が出すぎてますが,「もしかすると中は古民家カフェみたいになっているのかな??」とか期待しつつ,中を覗いてみると,こんな感じです.
小学校以来見てない,360度をみんなで囲める形のストーブ.懐かしい.
滞在料は200円です.由緒ありそうな石像なんかを写真に収めるのは,どうも申し訳なかったです.やっぱりバチあたると怖いので,びくびく謝りながら,写真を撮りました.
温泉内の雰囲気は,好きです.公衆温泉の割に,更衣室も,比較的綺麗だった.
でも,浴槽内にコケ生えてるのは否めませんな.
実はケロリンと対面するのは初めてだったりする.
基本的に公衆温泉は,石鹸やシャンプーがない場所が多いので,汗を流す程度に入るのがちょうどいいのかもしれません.
結構のんびり浸かっていると,ちょうど11時くらいになりました.
再びメインストリートに戻り、気持ちの良い街並を両脇において由布岳を楽しみながら歩くのですが,目に映るのは本当に人ばっかりです.コロナ自粛ムードはどうした.
家族連れに加え,カップルや若者衆が大量に通り過ぎて行きますが,自分以外に一人でリュックを背負って歩いている若い男は全然見当たりません.
ほとんど若者が,少し高そうな活かした服を来ています.
場違い感がすごい...
いいお湯にも入ったし,街のスーパーで調子乗っておビールを買います.
小心者の私は,酔っぱらって人にぶつかるのが怖い。そのため、ノンアルビールを買いました.しかもすれ違う街の人達に怪訝な目をされたらいけないと思い,ビールのラベルを左手で隠しながら湯呑のようにして、持ち歩きました.
でもやっぱり,ビールはお友達!
正面の雲に隠れた山が由布岳です.
端から見たらおっさんだよ.
しばらく行くと,オルゴールのお店があります.
無駄にヨーロッパ臭いところが,またポイント高い!
自分が入るには敷居が高すぎます.
歩みを進めると,こだわりの建築が続く街並みは終わりに近づきます.
だんだん,山に近づいていくと,人影が少なくなってきました.
多くの人はこの川沿いで引き返すようです.
自分の目的はあくまで温泉なので,先に進みます.
写真の中央に位置する石橋を越えた辺りから,人とはすれ違わなくなりました.
川沿いを進むと,全くの田舎道になります.川のへりには畑が延々と続いています.お店も存在しないため,山肌がずっと見えています.ぽつぽつと民家が立ち並ぶ程度です.
川沿いは何もないので,きょろきょろしながら歩いていました.
すると,川から50mほど遠く離れた小道に何やら怪しげな看板が見当たります.
とても怪しかったので,近づいてみました.
どうやら美術館のようです
(なんとまぁ.昨日は博物館に訪ねて,今日は美術館に寄るのかと.頭空っぽにして温泉旅行に来たはずなのに,教養の旅になってしまった.
そう.ここで出会ったのが,ドルドーニュ美術館でした.
ここでの原体験は,どうも3000文字では納まりきりそうにないので,また4部目の機会に.
........
ドルドーニュ美術館で3時間も居座った後,再び温泉目指して歩き続けます.
ここが旅の終着点,今回の旅で最後の温泉としていた,由布岳温泉です.
今回の旅ではあいにくの曇り空でしたが,天気が良い日には露天の湯船から由布岳が煌々と居座って見えるそうです.温泉荘の軒下に飾られてある紹介写真では,なぜか黒塗りにされたビールをとても気持ち良さそうに飲むおっさん達が写っていました.
ちゃぷん.
いや,めっちゃ水温低いんだけど.
この時期,外気温に影響されて,水温が35度くらいしかないようです.
マジで風邪をひきかけました.
そんなこんなで,湯上りの後は最後の〆に,さっきまで取っておいたビールをぐいっと.
しかし,まぁ由布岳は荘厳です.
陽の光を浴びると,山肌が黄金色に輝いています.
たまたま風に流された雲の合間から,山頂が寒さのせいか白銀で覆われている姿を知ることができました.
冬は近いですね.
帰路をぼちぼち歩く中,由布岳を眺めながら,今回の旅の出来事を感慨深く振り返るのでした.